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旧人合宿山スキー班@原始が原

 2016-03-23
筆:夏目
CL:夏目 SL:八木 食当:鈴木

期間:2016年3月23日~3月28日(5泊6日)


今シーズンは深刻な雪不足に悩まされた。加えて音頭をとるべき自分が単位不足に悩まされた結果、なかなか予定が定まらなかったことをお詫びしたい。
残念ながら、虚弱体質故に長期にわたって雪山に入れない2年深井と、滑走技術の問題で1年哲平は不参加。しかし過酷なトレ山を終始笑顔で乗り切った鈴木を加え、メンバーはなんとか去年と同じ4人になった。滑走技術においては、なかなかのレベルに纏まったのではないか。

行き先は北海道は富良野の原始が原。北海道の豊かな大地を滑り倒してやろう。


【入山前】

八木先輩は11日から北海道に前乗りしていて、中村は直前まで九州旅行に行っているため、鈴木と2人部室で準備をする。中村は里ワン中に九州の地でスマフォを壊したかなんかで連絡がとれないとか舐めた事をぬかしている。現地で合流するのが面倒だ。深雪は中村にラッセルさせることに決めた。
わちゃわちゃしつつもなんとか必要なものを揃えた19日、成田空港に向かう。手荷物が多いので荷物を預けるまでが大変。スキーワックスを没収されたり、預ける荷物が30kgに収まるように機内に持ち込むなどした。リッチにANAに乗ったので超快適でした。

札幌では季節外れの雨が降っていた。気温は東京より少し寒い程度で拍子抜け。例年はまだ雪が残っているはずの道路も少し残雪がある程度だった。
大荷物とともに一目散に北大の友達の家に転がり込む。昔から変な事ばっかりやっている奴だったが、今は競馬に嵌っているようだった。延々とグリーンチャンネルを観させられ、深夜まで彼の講釈を聞き続ける。悔しいけど結構面白かった。

下山してからのんびりする時間がとれるとも限らないので、次の日には札幌の観光地をだいたい巡り、ジンギスカンやお寿司を食べて英気を養う。霰が降っていたのでずっと地下を歩いていた気がする。

21日の早朝、八木先輩と鈴木と合流してレンタカーで無意根山に向かう。ピークでは天候に恵まれなかったが、良い足慣らしになった。下山後、鉄板と言われていたロードクエストの敗北を確認。友の馬券は紙屑となった。

無事札幌に戻り、無意根の打ち上げと合宿の決起会をしつつラーメンを食べていると、中村から不穏な連絡が入る。曰く、体調が悪いので合宿に参加できないかもしれないとのこと。九州での無理が祟ったのだろうか。札幌まで来るには来ると言っているので、身体の丈夫さだけには定評のある彼のことだから、なんだかんだ参加はできるのだろうと甘く考えていた。



【0日目:アプローチ(札幌 → 富良野)】

朝8時頃、中村から参加できないとの連絡が入る。それにしても眠い。全部競馬のせいだ。重い荷物に潰されそうになりながら札幌駅へ。ようやく4人で集合して話し合った。ぜひ中村を連れて行きたいところだったが体調はかなり悪いようなので、中村を除いた3人で行くことに。荷物を3つに分配して不要なものは送り返す。さらば中村。ちなみに米を3人分に減らすのが一番面倒だった。神奈川へ帰って行く中村を見送り、食料品の買出しなどを行う。前日の下調べの甲斐もあってスムーズに事が運び、余裕を持って富良野行きのバスに乗った。富良野までの道のりは3時間ほどあったので、ポップコーンを食べながら動画を観て、無駄に優雅に過ごした。

富良野は札幌よりだいぶん寒かった。待合室のテレビに映る高校球児を眺めているとタクシーが到着。不礼別へ向かう。運転手さんと話しながら徐々に近づいてくる富良野の山を眺める。もう熊は起きてるかもね、なんて言われてぞっとした。南アパーティの猿襲撃事件を聞いた後だと猿ですら怖いというのに。

うとうとと窓を眺めていると、除雪区間が終わり、タクシーが止まる。もう日も落ちていた。カーナビで現在地を確かめて愕然。道路全然除雪されてない!。過去には同時期に秋雲橋まで車で入っている記録もあり、その付近まで行けると理想的だったのだが、そこから8kmほど離れた場所にいた。つらい。

タクシーのライトが遠ざかるにつれて闇に飲まれていくのを感じながらスキーを履き、ザックを背負う。
登山口へ続く林道の入り口に辿り着いたころには20時近くになっていた。予定よりかなり手前だったがそこで幕営する。よく見たらそこの道も除雪されていて車で入ってこられそうだ。帰りはここまで迎えにきてもらおう。


【1日目:原始が原へ】

5時に起床しザックを背負う。この重さでスキーを操るのは無理だ。ましてやシートラなどもってのほか。林道にはツボ足の跡があった。登山口を過ぎて登山道に入ると、俄然道が険しくなる。前富良野へと続く夏道とはすぐに別れて、原始が原へ一直線に向かう。赤テープもほとんどないので慎重にルートを選んだ。雪面には人の足跡は一切ないが小動物の足跡は大量にある。僕らにとって歩きやすい道は彼らにとっても同じのようで、幾度となく彼らと同じ道を辿った。
二段の滝を過ぎたあたりで思い切って尾根へ詰める。その大きな樹木の立ち並ぶ尾根を少し登ると、だだっぴろい雪田に出た。目的地の原始が原である。窮屈なトラバースの直後に素晴らしい開放感。定着するには最高の場所だ。場所が特定しやすそうな大きめの樹林帯にテントを建てる。欠員の影響で6テンに3人なのでとっても広々。一番荷物の重い日を乗り越えたことを喜びながら団らんした。

夕飯はコッヘルで敢行するジンギスカン(?)だ。なかなかうまい。そして八木さんのお土産の流氷カレーを食べる。青と白のカレールウを上手い具合に流氷っぽく盛りつけてね。という無理難題を売りにしたカレーで、味もまぁ見た目通りだった。水作りの際は、エキノコックスを警戒して沸騰するまで加熱した。とてもめんどくさいが、テント内は暖まるし、お湯は湯たんぽになるしで悪くない。夜はあまり冷え込まず、暑いくらいだった。


【2日目:富良野岳】

4時半起床。出発は5時過ぎになってしまった。天気は快晴!。余裕のあるうちに、ということで富良野岳を目指す事にした。原始が原は樹林帯の中に大きな湿地帯が点在する地形になっており、冬は湿地帯は全て雪に埋もれ、真っ平らな地形になる。さながら白いゴルフ場である。同じような地形が繰り返し続く上、斜度もほとんど無いので現在地の把握が難しい。
まずは夏道沿いの湿地帯を進む。樹林帯よりはラッセルが楽だが、それでもかなり埋まる。どんどんウェアを脱ぎながら歩を進めて行くが、気のせいかどんどん目標が遠ざかっていくような…。
湿地帯を抜けて少し樹林帯を歩くと富良野と前富良野の間のコルに着く。振り返ると原始が原の斑な雪原にトレースが1本、コルの向こう側には富良野の町が見える。浮き足立ちながら広大な斜面を頂上目指して登りだした。
1700付近でアイスバーンが目立ち始める。クトーがあればよかったが鈴木のクトーは中村と一緒に神奈川に行ってしまっていた。仕方ないのでシーデポしてアイゼンで登る。山頂に着くころには快晴だった空は完全に曇ってしまっていた。残念。

下りはパウダーになっている斜面をうまく選んで大滑走!下れば下るほど晴れていく!広い斜面きもちいいい!ほとんどノンストップでテン場まで滑る。登りのトレースからはみ出ないように滑るのがコースター気分で楽しかった。
テン場は奇麗な青空。まだ正午だったので恒例の雪のテーブルを作った。夕飯は海鮮たっぷりの寄せ鍋。うますぎる。八木先輩は北海道らしく余市ウィスキーを嗜んでいた。
八木先輩のヤッケが破れてしまっていたのでドヤ顔でリペアーテープを取り出す。湯たんぽ作りをして就寝。寒い。


【3日目:大麓山,トウヤウスベ山】

朝。絶望的に寒かった。もこもこに着込んで原始が原を大トラバース。視界が数十メートルだったこともありどこを歩いているのか全然わからない。コンパスを睨みながら歩く。思い通りの場所に東側の山々が見えてきた時はほっとした。
布部川のスノーブリッジを恐る恐る渡り、五反沼を過ぎて、トウヤウスベの東尾根にとりつく。斜度は緩いが雪深く、風は強いのに汗だくだった。頂上に着くと原始が原を一望できた。見れば見るほどゴルフ場。とても寒いのでさっさと次の大麓山を目指す。そこはもっと寒かった。眺望もない。
トウヤウスベの北尾根を下るつもりだったが、八木さんの提案で大麓山の北の沢を滑ることにする。出だしは北側故にガリガリ&樹木でぼこぼこでとてもスリリング。後半は穏やかなパウダーでゆったり滑れた。良い斜面だった。
布部川まで下りきって渡れる場所を探す。五反沼まで引き返すことも覚悟していたが、幸いにも近くになんとか渡れる場所が見つかった。経験上、川が曲がっている場所で渡れる事が多い。内側の流れが遅いからだろうか。行きのトレースが残っていたので迷うことなくテン場に戻れて一安心。

夕食はカレー。ここで山カレーを楽しくする工夫を2つ。鍋こそぎにシリコンのヘラを使う。箸やスプーンでやっていたのがあほらしくなる。そして増えるわかめ。カレーコンソメのクオリティが高まる。重さも無いに等しいので良い。ゴマとかも欲しくなってくるなー。スキー班は常に美味しい山飯を追求しています。


【4日目:停滞】

天気が悪かったので停滞。だらだらしていても山では時間がゆっくり流れる。昼食にじゃがバターを食べたり大量に水を作ったりトイレを改築したりした。
八木さんは2日目に無くしたウイスキーを捜索している。テン場前の雪を全て掘り起こした頃に発見された。夕方は雪がやんで夕焼けがとても奇麗だった。明日は晴れるかな。


【5日目:境山(撤退)】

たっぷり休んで4時半ごろ出発。天気も良くないので下ホロカメっとくのは止めて、境山を目指してほぼ真東にトラバースする。シーソラプチ川二股の間の尾根に乗ってずり落ちないように踏ん張りながら登る。空は曇っているが視界自体は悪くない、しかし進行方向の山々は完全に雲に覆われていた。
1685コルに乗るかどうかというところでついにホワイトアウトする。あとは150mほど登るだけで境山山頂だったのだが、待っても視界は得られそうにないし、そうこうしてる内にみるみる体温が奪われていくので、泣く泣く引き返すことに。二股に戻るまでの滑走は圧雪されてるかのように滑りやすかった。

原始が原に復帰するととてもいい天気。ここにきて初めて太陽に照らされた原始が原を見る。まっさらな雪田は鏡面やみなもと見まごうほどで、とても美しい。
しかし良い事ばかりでもなく気温の上昇とともに雪が腐り、前に進むのが苦行と化した。板のうらにはべったりと雪がついて滑らないし鉛のように重い。スキーワックスを空港で没収されたあとに買い忘れたのが悔やまれる。
ストレスが限界に達したのでそれを雪だるまに昇華し、雪玉によって討ち倒すことで解消する。テントに戻ったあとも良い陽気だったのでゆったりできた。

最後の夕飯にはカレーパスタを作る。会津駒のトレ山で偶然できた予備食用メニューを夕食に格上げした。アルデンテにこだわる僕が大騒ぎで麺を湯で、ルウ担当の鈴木を焚き付けまくる。パスタのゆで時間とはソースとからめるまでの時間なのだ。トロピカルな風味のルウはパスタによく合った。
明日スムーズに撤収できるように身辺整理して水作りもそこそこに就寝。僕のシュラフがやたら湿っていて何故なんだと文句を言ったら、下着同然で寝ているからだと指摘された。ドライレイヤーは僕の汗を次のレイヤー(=シュラフ)に移行し濡れ戻りを抑制する役割を全うしていた。なるほどねぇ。


【6日目:前富良野岳のち下山】

時間が厳しいので早くに出る。雪は降っていないが星も見えない。
まずは前富良野のピストン。全装で前富良野の南尾根を降りる選択肢は滑走の不安から避けた。富良野のコルまでは2日目と同じ。朝早く気温が低いため雪が良く締まっていた。コルから前富良野山頂に向けて登り始める。西側斜面の富良野岳に比べて登り易かったが、標高を上げるにつれてガスが酷くなっていく。1580あたりで尾根が狭くなり、視界ほとんどがなくなったため、スキーをデポ。目の前が真っ白な中ストックで崖を探りながら手探り状態で登って行く。正直言って超怖かった。何度も後ろ2人を振り返っていたのは、ついてきているか確認するためではなく白以外の物質を視界に入れたかったからです。

目の前が下りになったところで行き止まる。夏道が通じず、山頂標識すら無い以上どれだけ進んでも本当に山頂を踏んだかどうかはわからない。というわけでここを山頂だと思い込む事にした!2人にカメラを向け「心の底からここを山頂だと信じ込んでいる表情で」と注文を投げたところただの引きつった顔を見せてくれた。
下りは目を皿にして行きの踏み跡を捜しながらより慎重に降りる。生きた心地がしなかった。後に鈴木に感想を聞くと「こういう風に山岳遭難は起こるんだなと思った。」と言われてしまった。冷静になって考えるとロープなしで行って良いコンディションじゃなかった。雪庇を踏み抜かなかったのも、下りで道を失わずに戻って来られたのも幸運だった。大いに反省しなければ。

滑走は広い尾根なので危険こそ無いが、視界の影響で前後感覚がめちゃくちゃなので苦労した。コルに戻ると視界がクリアになり青空すら見える。恐怖から解放された後の滑走は浮遊感抜群のパウダーで、個人的には本合宿のベストラインだ。
テント場に戻りいそいそとテントを撤収しているとみるみる雲が消え、太陽が顔を出す。前富良野を見ると輪郭を取り戻した山頂の鋭角に見下ろされる。に、憎たらしい...。登り直したい気持ちもあるがそのときには曇っているに違いない。最後まで天気に翻弄された合宿だった。

重い荷物をどうにか持ち上げ下山開始。重装での滑走は潰れそうになる体との戦いだ。さすがの鈴木も疲弊している様子。なんとか滑れるラインを見つけて比較的スムーズに降りられたが、時間以上に長く感じる滑走だった。不動の滝付近でいつの間にか見覚えのある地形に囲まれたと思ったら、我々の5日前のトレースが見つかった。それを辿って登山口まで一直線。鈴木が下山パワーを発動して渾身の滑りを見せる。最後に長いだけの林道を漕いでようやく道路に到着!。足も滑走面もボロボロだった。

タクシー会社にゴネて地図に載ってない道を通って迎えにきてもらう。タクシーの暖かさに文明を感じながら帰還した。さあ一刻も早く温泉につかろう。夕飯はジンギスカンを食べよう。そして残った日も思い切り北海道を満喫してやろう。


【その後】

夜はジンギスカン食べ放題で豪勢に打ち上げのはずが、疲れからか僕はもちろん他の2人もビール一杯でクラクラに。ほとんど食べられずに終わった。
夜食に北海道ローカルカップ麺の焼きそば弁当をいただく。

翌日はレンタカーを借りて神威岬へ。風の影響でチャレンカの小道(?)は渡れず…残念。
また、マッサンでも話題になったらしい余市のウィスキー蒸留所へ。ここでは試飲もできるので、下戸である自分が自然とハンドルキーパーに。美味しいりんごジュースをいただいた。まぁ自分も飲むの自体は好きなんですけどね!!!


【まとめ】

旧人合宿が復活して3年目、今回は滑れるメンバーが集まったこともあり、北海道まで足を伸ばした贅沢なルートが実現した。来年は文登研で学んだ八木と夏目が同時に抜けてしまうことになるが、トラブル続きの山行の中でも一通りのことは伝えたつもりだ。これからもサポートは惜しまないので、ぜひ来年以降も続けてほしい。よろしく頼むよ、鈴木! ...と中村!
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