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塔ノ岳歩荷 1/24

 2016-01-24
筆:武山(B1)

CL:飯田(B3) 記録:梅田(B1),中澤(B1)

東工大ワンゲル学科の必修科目「歩荷」。この単位を取るべく、多くの1年生は去年の5月頃に単位を取得した。しかし自分だけは「試験ブッチ」をしてしまったので再履をする事になってしまった。
「お前、歩荷してなくね?」
「歩荷再履な!ww」
僕の心に重くのしかかる言葉が飛び交っていた。実は今年に入って僕が歩荷してないことに気づいている人はほとんどいなかったのだが、先ほど述べた5月の歩荷のブログ記事(表丹沢歩荷訓練)の一番最後にて僕がいらんことを言ってしまった結果気づかれてしまった。
ということで、単位を習得すべく「歩荷」に参加することになった。

今回登るのは塔ノ岳である。登山口までのバスが出る渋沢駅に早めに到着し、塔ノ岳を見る。山頂付近が真っ白である。雪のせいでまともに歩けない未来が見えてしまった。しかし、去年の5月よりかは成長してるかもしれない。ハンデとして受け入れる心の広さが僕にはあった。褒め称えて欲しい。

バスで登山口まで向かい、着き次第水を入れていき、それらをザックに詰め込む。大体、飯田先輩は40kg、自分は30kg、梅田、中沢は9kgを背負うことになる。いや、9kgってなんですか、遠足ですか。そして出発の声がかかる。
「よっこらしょ」
声しか出ない。腰が上がらないのだ。なんて重さなのだろう。結局1年2人に助けてもらい立ち上がる。出発した。

しかし歩いてみると、意外と行けるのかもしれないという考えが出てきたのでペースを早めていく。梅田や飯田先輩から「バテるぞ」と言われるも知ったことではない、僕は僕のペースだとズンズン登った。
一回目の休憩をとる。ザックを置こうとするが重い。危うく急斜面に落としそうになる。ザックを落としたら取りに行かなければならないし、これで歩荷終了なら落とすか!!とも考えたがどうせまた再履である。諦めた。
2回目の休憩を駒止茶屋でとる。ここら辺から雪が積もり始めていた。
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休憩が終わり少し歩いてみると凍っているところがあった。アイゼンを付けることになった。実はアイゼン付けるのがこれが初めてであり、取り付けに時間がかかりまくってしまった。その結果置いてけぼりを食らうことになる。飯田さんは40kg持ってるので先に行くのはもちろん分かるのだが、なぜ軽装の残る2人も先へと行くのか。怒りをパワーに変えることにより登っていった。

無事3人に追いつくと、なにやら目の前で水滴が垂れている。よく見ると飯田さんの尻からそれは漏れていた。しかし下痢ではなかった。およそポリタンから水が漏れていたのだろう。尻がビショビショである。そのためとても飯田さんが不機嫌であった。
次の休憩では、なぜか飯田さんが梅田や中澤からポリタンクを貰い45kgにした。「冬山やる男はこれくらい当たり前でこなすんだよ」と飯田さんの背中と雫がたれ落ちる尻が語っていた。

taketouno1.jpg

よく見れば尻が濡れていることも確認することが可能であろう。


さて、ここから花立山荘まで向かうのだが、ここからさらに斜度がきつくなる。何よりキツイのは急な階段だという話をきいた。自分も階段が大嫌いで、あのいきなり段が上がるのが相当足にくるのである。恐る恐る登っていくが、見当たらない。それもそのはずで、雪で完全に埋もれていた。これが幸いし、一歩一歩の高さを自分で調節でき、とても良かった。
ここで中澤も軽装ではあるが結構登っていたので疲れが見えてきていた。そんな後ろで梅田がニヤニヤしながら登っている。腹が立った。なぜ歩荷しなかったのか。

なんとか花立山荘まで来る。なんとか一番キツイ道のりを登ったのと、かなり景色が良かったので少し気分が高揚していた。

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ここからはかなり景色もよく、また晴れていたので少し気分よく登れることができた。しかし、キツイ道はもう終わったと思ったら意外と急だったのは地味に辛かった。ここからは尾根を登る感じだったのだが、やはり風が強い。ただでさえ寒い道に強風が吹きつける。冬山はこれの比ではないと考えると、過酷さがよくわかる。

最後の登りがなかなかにキツかったが、ようやくなんとか無事塔ノ岳に到着した。

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久々にここまで大きな「達成感」を感じた。景色も天気もよく、最高の気分だった。

taketouno7.jpg


さて、人はなぜ歩荷をするのであろう。昔はヘリなんてないのだから人力で山に物資を運ぶが、今は違う。このなぜ歩荷するのかという問いに対して、僕は出発前に「金稼ぎ」という目的を見出した。「10kgの水持っていったら1000円貰える」という噂話をエネルギーにして登っていき、無事山頂に着き山小屋の人に水を渡す。合計80kg近くの水を見て、これは金がたんまり入ると思ってニヤニヤしていると、「三ツ矢サイダーの缶とか持ってきてくれるとお金払うんだけどね~」という声がした。つまり、僕らはボランティアしただけであり、報酬が一銭たりとも手に入らなかったのである。ここで前回の歩荷のブログを見よう。

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なぜ水を持って行ったのか。アホでしかない。

しかし、本当の楽しみはこれからである。ここから近くの鍋割山荘まで行き、かの有名な鍋焼きうどんを食うのである。時間の都合もあり、急いでそこへ向かう。あまり踏まれた形跡がなく、かなりズブズブ雪に靴が埋まってしまい歩きづらかった。

50分ほどで到着し、いそいそと小屋の中へ入る。鍋焼きうどんが机に並べられ、すぐに食い始めた。これが本当に本当においしかった。よく山頂で食う飯は旨いというが、今まで僕らは炊飯に失敗した米や小食(お菓子)しか食っていないので、この感覚がいまいちピンと来ていなかった。しかし、今回は身に染み入るようにわかった。今までの寒さがまたアツアツの鍋焼きうどんの美味しさを引き立てていた。久々に食事をして感動した。
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これからは、小屋の近くで泊まるなら小屋の飯を食いませんか?幸せですよ?

ここからは下山である。かなり急な上に、雪である。めちゃくちゃ転びそうになってしまった。
ほどなくして林道が現れる。これがまた長い。長すぎて途中から一人カラオケをしていた。これが地味に楽しくて、わざと後ろの方を歩き大声で歌うことが快感となっていた。かなり歩きやっとスタート地点までたどり着き、無事下山した。


終わってみれば、頂上の景色や鍋焼きうどんを思い出し、かなりいい山行だった。しかしその裏にはそれまでのツライ行程があったからである。
いい経験をしたなと思った。
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